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コドモンの保育ドキュメンテーション活用実践事例集

子どものあそびの「過程」を丁寧に見ることで保育者も子どもも保護者にも変化が!

湘南福祉センター 平塚保育園

湘南福祉センター 平塚保育園

園長/上田先生

園長/上田先生

湘南福祉センター 平塚保育園

所在地:神奈川県平塚市

分類:認可保育所

対象年齢:0歳児~就学前

定員:135人

思いきりあそぶことで思いやりの心も育ちます。幼児組を中心に、園外保育用の園バスで野外活動や自然に親しむ体験をたくさん計画しています。

「保育者には楽しさを感じながら仕事をしてほしい」と考え、その手段として「ドキュメンテーション」に関心をもち、それまでのICTからCoDMONに切り替えた平塚保育園さん。

『ルールを作らず、保育者のワクワクを重視』した保育者主体の運用で、初年度からスムーズにドキュメンテーションの活用が進んでいきました。ドキュメンテーションを通じて、保育者同士で対話しながら、チームとして保育を行うことで、子どもを見る視点が成長していることを実感してくださっていました。


今回は、ドキュメンテーションの運用を始めて1年後―。

試行錯誤の中から生まれた、平塚保育園さんの新しい気づきや、園児さん・保護者との関係の変化について教えていただきました。

1.子どものあそびの「過程」を丁寧に見ることで、次の保育へつなげていく

ドキュメンテーションを作成することで、「子どもが今何しているか?今何を感じているか?何をしたいか」を丁寧に見るようになりました。そのおかげで、「保育者たち大人が設計したゴールにたどり着けるように結果に着目していた保育」から、「子どもが何をがんばったか、何を試行錯誤してきたかという一連の過程を観察する保育」に変わってきたと思います。

「一連の流れ」を捉えることで、活動に潜む、子どもの興味や意思が見えてくるので、「この子はここが気になっていたんだったら、次はこうしてみよう」「ここを工夫していたから、次はこんな環境はどうだろう」というように、次の保育の環境設定を考えやすくもなったと思います。

さらに、ドキュメンテーションで写真があることで、保育者同士で共有しやすく、変化もわかりやすいので、週の頭に立てた保育計画を話し合って修正していく姿も見え、考えた環境設定をちゃんと計画に反映できるシステムでとてもいいなと感じています。

2.ファイリングの一工夫で、あそびの連続性を可視化し子どもにも変化が!

保育計画を柔軟に変更するようになったことで、あそびが連続し発展していくことも多くなりました。子どもたちの間ではいろいろなあそびが並行して進んでいるし、毎日同じことをするわけではないのですが、そこにブームはあります。子どもたちの中でふと思い出された活動が、日をまたいで繋がっていくことが多いので、あそびの関連性の高いものを、「虫」「パン」のようにあそび別にファイリングし、子どもたちが作った作品や収集物と一緒に掲示しています。

        

※上記の画像をクリックすると写真を拡大してご覧いただけます。


また、ドキュメンテーションで写真があることで「あそびの連続性」がとても良く見えるようになりました。活動の流れを追うことで、保育者は次の保育の環境準備ができますし、子ども自身はそれを見て、自分たちのあそびの展開や進化を実感することができるようになっています。また、今まで活動に参加していなかった子がドキュメンテーションで経緯をたどって後から参加しやすくもなり、自分もやってみたいという意思を表明するきっかけにもなっています。

パン作りが発展して…?

「パンつくり」プロジェクトのドキュメンテーション

虫観察が深まって…?

「虫観察」のドキュメンテーション

※上記の画像をクリックすると一連のドキュメンテーションをご覧いただけます。

3.保育者の視点を伝えることで保護者にも変化が!

 保育者の視点がドキュメンテーションを通じて伝わることで、保護者の目線も変わっていることを実感しています。「楽しい」も「うれしい」も「苦手」も「嫌だ」も、子どもの成長の一部なのだと伝えることで、ポジティブな反応が返ってくることが多くなりました。「恐る恐るでもやろうとしているんですね」「苦手そうな顔をして笑っちゃいました」と、『子どもの挑戦や成長に注目』してくれるようなコメントも増え、保護者自身が、『子どもの活動の過程をプラスに捉えられる』ようになっていると感じています。

編集後記

あそびの連続性を可視化することで、保育者・子ども・保護者に生まれた変化

先生のお話で何度も出てきてとても印象的だったのが「子どもを丁寧に見るようになっている」という言葉でした。ドキュメンテーションという手段を使って、表面的な活動にとどまらず、子どもの感情や意思を汲み取るという姿勢が共有されるとともに、他の先生にその内容を伝えることができるように、環境が整えられているんだなぁと感じました。

また、さまざまな施設の先生方から「とてもハードルが高い」といわれる「子どもの姿ベースの計画」についても、「子どもを丁寧に見ていったら、自然と日々の保育の中で芽生えてきた」と園長の上田先生がおっしゃっていました。保育者同士が信頼関係を築き、「子どもを見る視点」を持っていなければ自然にはできないことなので、平塚保育園さんの園運営についてもさらにお伺いしたくなってしまいました。今後、さらにドキュメンテーションを活用し、先生たちがどのように保育を実践されるのか、ぜひまた聞いてみたいと思いました!

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保育ドキュメンテーション活用実践事例集